レンターズネット「CRM」開発秘話
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インタビュー

「CRM」の新機能は、小田急線、京王線をメインに18店舗を展開する不動産会社、株式会社東都様との共同プロジェクトにより生み出されました。不動産会社のメール営業をレベルアップし、来店率を高めるシステム、CRMはどのようにして生まれたのか?開発秘話をどうぞ。

「一緒にメール反響に対する営業を向上させる仕組みを考えましょう」

新井
レンターズネットのCRM機能をバージョンアップさせるに当たり、不動産会社様と協力して、当システムの成功事例を作りたいと考えました。
そこで、「一緒にメール反響に対する営業を向上させる仕組みを考えましょう」と、東都さんにご提案したのが始まりです。
成功の暁には、ノウハウを新商品に生かすなど、プロモーションに利用させてください、というお願いをしました。
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大槻氏
当社は学生需要が高く、学校内にブースを出して集客するなど、比較的従来型の営業を行っています。
ですが、年々ネット検索やモバイル検索の需要が高まってきており、当社は、今後の集客をどうやっていくかという岐路にあったのです。
新井さんからお話をいただいた時は、我々としても、レンターズのCRMを便利な営業ツールとして利用するのみでなく、もう一歩踏み込んで、メール営業を強化したかったところでした。 両者のニーズが完全にマッチしたわけです。

全18店舗の全メールをチェック!見えてきた課題

新井
まず、メール反響への追客の重要な要素である営業スタッフが最初に送るメールに絞り、分析を開始しました。
レンターズネットで東都さんがお客様に送った、ある期間のメールを全て見せていただきました。
メールの分析というのは、なかなか難しかったんです。
自分で読んでいて、「このメールはあまり良くないな」と思っても、「では具体的に何が悪いのか?」という、客観的なポイントに落としづらいんですね。

ですが、全メールを読んでいく中で、誰もが納得できる評価指標を設定することができました。
例えば、お客様から返信がなかった場合、フォローのメールを送っているか。
数値化したところ、まだまだ改善の余地がある!という現状が見えて来たのです。

施策の決定

大槻氏
すばらしいシステムの影には、新井さんの地道でアナログな分析があったんです。

2ヶ月で明白な成果が

新井
日々のメール返信を、まずは先ほど申しました指標をルール化してやってみようということになりました。
大槻氏
まずは1回PDCAサイクルを回してみましょうと、モニター店舗5店舗で2ヶ月間やってみました。

※フィジビリティスタディの結果

大槻氏
結果を比較してみると、
「6つの指標」を実施したお店は、お客様からのメールの返信率が、54%。それに対して、実施していないお店は41%でした。来店率は、前者が32%、後者が20%。明白ですよね。
当社の課題であった「集客数回復」の活路が見出されたのです。これは、手間がかかるなどと言っている場合ではない!と、次の期から、対象を全店舗に拡大しました。 じきに全店舗でも向上していきました。
新井
今回のプロジェクトは、私どもにとっても非常に貴重な経験でした。
例えば、お客様へのフォローメールを送った方がいいよね、とは言ってましたが、実際どれくらいの効果があるのかはわかっていなかったのです。
それが、このプロジェクトで数値を取ったところ、フォローメールを送った場合、 4人に1人のお客様が返信をくれるということがわかりました。
大槻氏
フォロー率と来店率もリンクしています。
メール営業の6つの指標の中でも特に、返信の早さと、フォローメールの送信は、来店率と相関関係にあることが分かりました。

「人を動かす」ことの大変さ

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大槻氏
一番重要だったのは、サンプル店舗導入時に「店舗のスタッフが、実際にやってくれるのか?」ということでした。各店舗スタッフ、特に店長の理解を得るために、店舗回りをしました。
新井さんにも、一緒に回ってもらったのです。

「何のためにやるのか?どうやるのか?ビジョンは?」といったことを、具体的に紙面に落とし、このプロジェクトに取り組む意義について十分に説明しました。
今回のプロジェクトで、一番大事だった部分です。
また、全店舗導入後は、毎月店長会議を開催し、良いメールの事例やマネジメントの苦労話を共有しながら、定めた目標の何%ができているかを確認しあいました。
新井
東都さんが、会社をあげて取り組んでいただいたことが大きいと思いますよ。
大槻氏
意識の統一という面で、多店舗展開している会社は課題が多いのです。まずは小さいところから始めることがコツですね。 当社では「仲介バリューアッププロジェクト」と銘打ち、18店舗中5店舗のモニター店舗から、プロジェクトを開始しました。
また、「反響来店率」や「契約率」など、途中から目標値を足しました。
いきなり多くの目標値を出され「成果を出そう」と言われては、大変すぎてモチベーションが下がってしまいますから。

プロジェクトの副次的効果

新井
こういったプロジェクトを成功させる上では、店長のマネジメントが非常に重要なんですね。個々のスタッフが各指標を守れているかは、店長がチェックする必要があります。
その過程で、スタッフがお客様に対してどんなメールを書いているかを確認できます。
その上で評価をしたり、ハッパをかけたり、アドバイス・叱咤激励ができます。
スタッフのやる気にもつながり、会社全体の意識が変わってきたように思います。
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大槻氏
やる以上は目標数値を設け、やるべきことを整理したことによって、店長とスタッフの相互理解が深まったんです。
すべき事が明確になり、やれば認められますからね。意識が変わります。
ある店長が、「メールを見れば、そのスタッフがどういう営業をしているかがわかる」と言っていました。店長はスタッフを監督・教育する立場にあるのですが、実際に営業同行を毎回するわけにはいかないんですよね。
「段取り良くできているか?」「要点をうまく説明できているか?」
「アプローチからクロージングまではスムーズか?」「ヒアリング・アピールは充分か?」

といった営業の各要素が、メールには如実に表れる場合が多いと思います。
新井
それまでは、各スタッフの営業手法は、ブラックボックス状態だったんですよね。
お客様のメールに返信しているかどうかすらわからない、という(笑)。
大槻氏
そうです。店舗内での行動は見えるが、営業の中身までは見えづらいという状況だった。
お客様への追客プロセスが良く見えるようになったというのが、今回のプロジェクトの副次的効果です。

不動産営業のエッセンスが詰まった、新CRM

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新井
新しいCRMには、今回のプロジェクトのエッセンスが詰まっています。
「6つの指標」を実践すれば、成果が出ることは分かりました。
しかし、それを個人の能力に任せておいてはいけません。
システムがそれを促し、気付きを与えることで、個人の技量に頼らずに成果が出せると思います。
具体的には、メール返信スピード向上機能です。
お問合せのメールが入った場合、特定の時間内に返信しないと、アラートが上がるようになっています。
大槻氏
フォローメールも一定期間が経過するとアラートが出るようになっていますね。
新井
旧システムでは、その辺りの管理に手間がかかっていました。手動で備忘録を入れる必要があったんです。
スタッフが入れ忘れ、店長が変わりに入れている…いうこともありましたね(笑)。
新システムでは自動でアラートが出るので、この手間を削減できます。
また、お客様からの質問の見落としは、どんなに気をつけても、発生することがあります。
しかし、ここは100%お答えしないといけないところですよね。
なので、質問欄に文言が入っている場合は、それも知らせてくれるように機能増強しました。
大槻氏
システムがアラートを上げてくれるのであれば、店長のチェックの手間も大分軽減できそうですね。
今回のプロジェクトで、一番大変なのは店長ですが、現在も私は
「今にレンターズさんが素晴らしいシステムを作ってくれて、
手間も半減するから!」と励まし続けていますよ(笑)。
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新井
新システムのウリのひとつとして、メール文例を共有する機能があります。
模範となる文例を登録し、全てのスタッフが参照したり、文面に挿し込んだりすることが可能です。
良い文例を共有することで、会社全体のメールのクオリティが上がるのではないかと考えました。
レンターズおすすめの文例集もプリセットしています。お客様のカテゴリごとに、マッチした文例を見つけることができます。この機能は、現在、東都さんで進めている、メールクオリティ向上のプロジェクトをヒントに作ったものなのです。
大槻氏
一緒にがんばった店長たちに、もんじゃでもご馳走してもらいたいですね!(笑)
新井
問合せ物件の周辺環境の情報や、おすすめ物件の情報もメールに入れやすくしました。
あとは、お客様からのメールの返信率・来店率・申し込み率などの成果のチェックも、今度のバージョンアップで簡単にできるようになります。
これまでは集計機能がなかったので、店長が直接調べる必要がありました。これからは、自動的にできるのです。
さらに、今まで成果を測るのは店舗単位でしたが、これからはスタッフ単位で見ることができます。よりリアルな数字が出てきますよ。
大槻氏
これは素晴らしい機能だと思います。
個人によって、メールの返信率は高いけど来店率が低かったり、逆のケースもあるんですよ。
このシステムを使えば、個人の営業手法のどこに課題があるのかが、数値になって出てきます。
新井
できるスタッフは、これを使ってどんどん効率化していけます。
逆に経験の浅いスタッフでも、どこを改善すればいいかが一目瞭然なので、もっと営業スキルを向上させることができます。この両面がないと、店舗全体の営業力を上げることはできません。
大槻氏
不動産仲介業とは、マッチングの仕事です。物件や周辺環境と、人とのニーズのマッチングをきちっとやれば、それがお客様にも伝わり、お客様の納得度が高まります。
そうなれば、営業スタッフへの信頼感が高まり、成約につながります。
したがって、メール営業においても、ちゃんとマッチングの提案ができているか?お客様に伝わっているか?ということが大事で、それが高いレベルでできているメールは、何かオーラのようなものを感じるものです。
多くの不動産会社がCRMを導入し、不動産業界全体の顧客満足度を向上させることができるならば、こんなに素晴らしいことはないと思っています。

今回の対談にご協力いただいた企業様

株式会社東都
本社所在地:東京都狛江市東和泉2丁目4-8
URL:http://www.tohto.ne.jp/

対談日:2011年1月14日

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